
Nora Eckert Nathan Gomes
[デトロイト 23日 ロイター] - 米自動車大手 フォード ・モーターは23日、2025年の利払い・税引き前利益(EBIT)見通しを60─65億ドルと、従来の65─75億ドルから引き下げた。アルミリサイクル大手ノベリスの工場で発生した火災の影響を理由とした。火災による損失は、利払い・税引き前で約15─20億ドルに上るとし、このうち約10億ドルは来年相殺できる見込みだとした。
併せて発表した第3・四半期決算は、売上高が前年同期比9%増の505億ドル。1株当たり利益は0.45ドルと、LSEGがまとめたアナリスト予想の0.36ドルを上回った。
ジム ・ ファーリー 最高経営責任者( CEO )は声明で、 現地に赴いてノベリスと協力し、工場内の稼働可能な箇所からアルミニウムを調達する作業に取り組んできたと説明。「25年への影響を最小限に抑え、来年には生産を回復させるために、短期間で大きな進展を遂げた」と述べた。
ノベリスは23日、工場の被災箇所の操業を12月末までに再開する計画を発表。来年第1・四半期までにとしていた従来の再開見通しを前倒しした。
エバーコアISIのアナリストらは8日、ノベリスの米ニューヨーク州のアルミニウム工場で発生した火災により、フォードのピックアップトラック「F─150」の生産が数カ月にわたって影響を受ける見通しで、同社利益が最大10億ドル減少するとの予測を示していた。
フォードの通期見通し引き下げは今年2度目となる。1度目は関税が理由だった。
フォードは7月、トランプ大統領の関税により今年最大30億ドルのコスト負担が生じるという見通しを示した。そのうち10億ドルは相殺する計画。幹部らは23日、先週発表された軽減措置により、現在は正味で10億ドルの関税影響を見込んでいると述べた。来年に関しても同様の影響を予想した。
トランプ大統領は先週、米国内の自動車・エンジン生産について、部品にかかる輸入関税を相殺する文書に署名した。米国内で組み立てられた車両について、メーカーは2030年まで、希望小売価格の3.75%に相当するクレジットを受け取ることが可能になる。