
Anuja Bharat Mistry
[ 10月23日 ロイター] - デッカーズ・アウトドアDECK.Nは11日、通期の売上高がウォール街の予想を下回るとの見通しを示し、関税の影響で米国でのホカのスニーカーやUGGのブーツの需要がさらに落ち込むと警告した。
トランプ政権の通商政策は、節約志向の強いアメリカ人を不要不急の買い物から遠ざけており、デッカーズのような企業にとっては、マクロ経済の不確実性の高まりによる消費環境や購買行動への影響を予測することがさらに難しくなっている。
デッカーズのステファノ・カロティCEOは、決算後の電話会見で、「下半期は、関税や値上げの影響が米国でも出てくるため、消費者はより慎重になると予想している」と述べた。
同社は5月に年間見通しを中止していたが、今期は関税の影響が1億5,000万ドル程度になるとの見通しを示した。
米国はベトナムからの輸入品に20%の関税を課し、ベトナムを経由する商品には40%の関税を課した。中国からの輸入品には30%の関税が課せられているが、11月1日から実施されるトランプ大統領の関税引き上げ案では130%に跳ね上がる可能性がある。
デッカーズが中国から調達している製品は5%未満だが、ベトナムでの製造に大きく依存しているため、懸念が残る。
同業他社と同様に、デッカーズは7月に選択的な値上げを実施し、関税関連のコスト上昇からマージンを守るため、会計年度を通じて製品価格を徐々に引き上げると述べた。
デッカーズの国内売上高は、前年同期比14.2%増の後、9月30日に終了した四半期は1.7%減となった。
LSEGがまとめたデータによると、年間売上高は予想54.5億ドルに対し、現在約53.5億ドルと予想されている。
「デッカーズの売上予測は期待外れだが、厳しいホリデーシーズンに向けての慎重さを反映しているのかもしれない。
しかし、シューズ・メーカーは、卸売チャネルや国際市場におけるホカ(HOKA)とアグ(UGG)ブランドの堅調な需要を背景に、第2四半期の予想を上回った。
第2四半期の売上高は14.3億ドルで、予想の14.2億ドルを上回り、1株当たり利益は1.82ドルと予想の1.58ドルを上回った。