
Juby Babu Krystal Hu
[21日 ロイター] - 米オープンAIは21日、対話型生成AI(人工知能)「チャットGPT」を基盤としたウェブ閲覧ソフト(ブラウザー)「チャットGPTアトラス」の提供を始めた。手始めにアップルの基本ソフト(OS)「macOS」向けで提供を開始し、アップルの「iOS」、マイクロソフトの「ウィンドウズ」、米アルファベットGOOGL.O傘下のグーグルの「アンドロイド」向けは後日リリースする予定だ。
ブラウザー市場で圧倒的な首位に立つグーグルの「Google Chrome(グーグル・クローム)」に対抗する。ウェブ分析会社のスタットカウンターによると、グーグル・クロームは9月のブラウザーの世界市場シェアで71.9%を占める。それでもアナリストらは、チャットGPTアトラスが広告収入を巡る新たな競争をもたらす可能性があるとの見方を示す。
今回の取り組みは、8億人の週間アクティブユーザー数を抱えるチャットGPTの利用者基盤を活用する狙いがある。オープンAIは新たなオンライン領域へ進出するため、消費者のブラウザー行動に関するデータを収集することを目指している。
利用者が従来のようにキーワードを提示して検索結果を求めることに依存せず、対話型生成AIを活用して、統合した情報を求める動きが加速する可能性が出ている。このため、オープンAIとグーグルが激しく火花を散らす見込みだ。
アトラスは任意のウインドーでチャットGPTのサイドバーを開けば利用することができ、コンテンツの要約や製品比較、あらゆるサイトのデータ分析などが可能になる。有料ユーザー向けの「エージェントモード」では、チャットGPTが利用者に代わってウェブサイトにアクセスし、旅行の調査から代金支払いまでといった任務を完結できる。
21日のデモにはオープンAIの開発者が登場し、チャットGPTがオンラインで料理レシピを検索し、自動的に全ての材料を購入する様子を披露した。これらの作業は数分間で完了した。
21日午後にアルファベットの株価は前日より1.8%下落した。