
Abhirup Roy Harshita Mary Varghese
[7日 ロイター] - 米電気自動車(EV)テスラTSLA.Oは7日、主力のスポーツ多目的車(SUV)「モデルY」とセダン「モデル3」の低価格版を発表した。
欧州や中国で競争激化に直面し、米国で7500ドルの税額控除が廃止される中、販売台数回復と市場シェア押し上げを狙う。
ただ、価格はモデルYが3万9990ドルから、モデル3は3万6990ドルからで、新しい購買層を引き付けるには高すぎるとの見方も出ている。
ウェドブッシュのアナリストでテスラ強気派のダン・アイブス氏は「上位モデルとの差が約5000ドルしかないことに失望した」と述べた。
調査会社Futurum Equitiesのチーフ・マーケット・ストラテジスト、シェイ・ボロア氏も「基本的には価格のテコ入れであり、製品の起爆剤にはならない。新しい需要を大規模に掘り起こすとは思えない」との見方を示した。
発表を受け、テスラの株価は4%超下落した。
米国の一部自動車メーカーはEV税額控除終了後の需要落ち込みに対する懸念から既に値下げなどの施策を講じている。
アナリストらは4万ドル以下の価格設定が最新モデルの販売促進につながるとしているが、3万ドル以下への大幅な値下げを期待する声もあった。
キャメルソーン・インベストメンツのアドバイザー、ショーン・キャンベル氏は「これで十分とは思えない」とし、「長期的にみれば、この措置は世界市場で中国の競合の低価格車がもたらす問題を解決するものではない。テスラには3万ドル以下のEVが必要だ」と語った。
廉価版はいずれも航続距離516キロで、上位モデル「プレミアム」より加速性能は劣る。すぐに注文可能で、納車は2025年12月─26年1月に開始される予定。