Stephen Nellis Max A. Cherney
[サンフランシスコ 1日 ロイター] - 米クアルコムQCOM.Oは主力半導体のCPU(中央演算装置)アーキテクチャを、ソフトバンクグループ傘下の英半導体設計会社アームO9Ty.Fの最新世代版「V9」に切り替えた。競合するメディアテックやアップルに対抗する狙いだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
アームにとって増収につながるとともに、今後のアームとクアルコムの関係性を占う動きとしても注目を集めそうだ。両社はライセンス契約を巡って裁判で争っており、まだ決着がついていない。
関係者の話では、クアルコムが先週、スマートフォンとパソコン(PC)向けの新型半導体を導入し、この半導体にV9が採用される。V9は対話型AIや画像生成AIの処理能力を高める目的で前世代のアーキテクチャから大幅に刷新された。
メディアテック2454.TWは既にV9採用を表明し、アップルも採用に踏み切るとの見方が多い。
シーポート・リサーチ・パートナーズの半導体・電子機器シニアアナリスト、ジェイ・ゴールドバーグ氏は、クアルコムはアームのアーキテクチャに関してライセンス契約を結んでいるが、半導体設計の大部分を自社で行うため、アームの収入を具体的にどれだけ押し上げるかは計算が難しいと話した。
ただゴールドバーグ氏は、両社がなお係争中である点を踏まえると、今回の動きは注目に値すると指摘した。