
Toby Sterling
[アムステルダム 11月13日 ロイター] - オランダの中国系チップメーカーNexperiaの顧客は、ヨーロッパに拠点を置くNexperiaと中国のパッケージ工場との確執を回避するための回避策について同社と協力していると、同社に近い2人の情報筋がReutersに語った。
これまで報告されていなかったこの回避策は、恒久的な解決策ではなく、また小規模な顧客にとっては実現可能なものでもないが、ネクスペリア・チップの不足により自動車や部品の生産が一部落ち込んでいる自動車市場に対する圧力を和らげるパッチを提供するものである。
オランダ政府が技術移転の懸念からネクスペリア((link))を押収したことに端を発した、ネクスペリアのヨーロッパ側と中国工場との対立が、世界の自動車市場にとって重要なネクスペリア・チップの供給を停滞させている。
ネクスペリア社は、複数のチップを製造するための基材であるウェハーをヨーロッパで製造し、それを中国の東莞の工場に送り、そこで切断・包装している。しかし、にらみ合いのため、欧州側は中国への出荷を停止している。
現在、一部の顧客はネクスペリア・ヨーロッパと協力し、ハンブルクの工場からシリコンウェーハを直接購入し、別途中国に輸送し、そこで東莞工場と最終パッケージングを契約している、と情報筋は述べている。
ロイターは、どの顧客がこの回避策について協議しているのか、また、どの顧客がまだ進めているのか、確認することはできなかった。フォルクスワーゲンVOWG.DE、ヘラHLE.DE、ボッシュ、オウモビオAMV0n.DE、ホンダ7267.Tなど、自動車メーカーやサプライヤーはネクスペリアのチップを使用している。
ネクスペリアの広報担当者は、具体的な計画についてコメントすることなく、同社はあらゆる方法で顧客をサポートするよう努めていると述べた。ネクスペリアの中国の親会社であるウイングテック600745.SSの広報担当者はコメントを控えた。
ネクスペリアの回避策は「短期的なパッチ
中国政府は今週、東莞工場で製造されたチップの輸出規制を緩和することで、自動車メーカーに一時的な救済措置((link))を与えた。オランダの代表団は来週、 (link)、さらなる協議のために中国を訪問する予定である。
この回避策では、ネクスペリアをほぼ2つの別々の生産・パッケージング会社として扱う。これは、東莞でパッケージングされるチップに関する品質上の懸念 (link) に一時的に対処するもので、東莞はすでに独立して操業している (link)。
ネクスペリアは10月26日、不払いを理由に中国子会社へのウェハーの出荷を停止した。中国子会社は現在、完成品の在庫を売却している。これらの在庫がいつまで続くかは定かではない。
「多くの企業が現在交渉中であり、すでにネクスペリアEUからウェハーを購入し、ネクスペリア中国に提供して独占生産を得ている企業もある」と、ネクスペリア製品の販売代理店であるあるある情報筋は語った。
同社に詳しい2番目の情報筋は、大口顧客は他の選択肢とともに、この計画を「短期的なパッチ」として見ていると述べた。
他の回避策として考えられるのは、ネクスペリアのチップをオンセミON.OやSTマイクロエレクトロニクスSTMPA.PAなどのライバルが製造したある程度同等のチップに置き換えることである。
長期的には、同社のヨーロッパ部門はマレーシアとフィリピンでのパッケージングを拡大しようとしている。中国部門は、欧州製ウェハーを中国製ウェハーに置き換えようとしている。