
Suleiman Al-Khalidi Timour Azhari Feras Dalatey
[アンマン/ダマスカス 5日 ロイター] - 米国がシリア首都ダマスカスの空軍基地に駐留拠点を設置する準備を進めていると、関係筋6人がロイターに明かした。仲介するシリアとイスラエル間の安全保障協定の実現を支援するのが狙いだという。
これまで報道されていなかったこの計画は、イランと同盟関係にあったアサド前政権が昨年崩壊したことを受け、シリアが米国と戦略的な関係再編を進めているサインとみられる。
同基地は、イスラエルとシリアの間の非侵略協定の一部として非武装地帯に設定されるとみられているシリア南部の一部地域への玄関口に位置している。
トランプ大統領は10日、ホワイトハウスでシリアのシャラア暫定大統領と会談する。シリア元首が米国を訪問するのは初めて。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は6日、シリア外務省筋がロイター報道を否定したと伝えた。国防総省とシリア外務省はコメント要請に応じていない。またシリア大統領府と国防省は、計画に関する質問に回答していない。
米政権高官は、米国が「IS(過激派組織「イスラム国」)と効率的に戦うためにシリアにおける必要な態勢を常に評価しており、(部隊の)活動地域や可能性のある地点についてはコメントしない」とし、作戦面の安全を理由に基地名と場所を報じないよう求め、ロイターも正確な場所を明らかにしないことに同意した。
シリア軍関係者2人によると、シリアが基地の完全な主権を保持する一方で、兵たん、監視、給油、人道活動向けに基地を利用することが協議の焦点になっているという。
米軍の派遣時期は明らかになっていない。