
Aditya Kalra
[ニューデリー 10月9日 ロイター] - インドのマディソン・コミュニケーションズは、3月の家宅捜索の際、弁護士の立会いがないまま同社の幹部が違法に尋問されたと主張し、広告代理店に対する独占禁止法違反の調査を取り消すよう裁判所に求めている。
(link) マディソンは、インド競争委員会(CCI) によって、広告料金や割引をめぐる談合の疑いで家宅捜索を受けた数多くの広告代理店や放送局グループのひとつである。 他に家宅捜索を受けた代理店には、世界的大手のWPPWPP.LGroupM、電通4324.T、ピュブリシスPUBP.PA、オムニコムOMC.Nが含まれる。
マディソンが10月8日にデリー高等裁判所に提出した法的措置は、エージェンシーのひとつに対する調査の中止を求める最初のものである。
10月8日に提出された276ページの裁判書類によると、マディソン社のサム・バルサラ会長とヴィクラム・サクージャ常務取締役は、「夜中に武装した職員の立ち会いのもとで調書が録音される前に、弁護士を雇う機会も相談する機会も」与えられなかったという。
インドでは、裁判記録は公開されない。
捜査メモ問題
マディソン社はまた、反トラスト法監視当局が、インドの法律で義務付けられている、捜索中にどの文書やファイルが押収されたかを詳細に記した情報を同社に提供していないため、家宅捜索は違法になったと主張している。
「これは透明性、公平性、適正手続きの原則に違反するものである」と裁判所書類は述べている。
CCIはロイターのコメント要請に応じなかった。また、マディソンの広報担当者もコメントの要請に応じなかった。
CCIは、電通が2024年2月に業界の不正行為の疑惑をリーニエンシー・プログラム((link))に基づき公表した後、調査を開始した。
ロイターが入手した機密書類によると、CCIの最初の査定では、両社がWhatsAppグループ (link) を介して価格設定の調整と合意を行う密約を結んでいたことが判明した。
この事件は木曜日にニューデリーの判事によって審理される。数週間かかるかもしれない審理でマディソンの主張を聞くことに同意するか、CCIの調査を保留にするか、マディソンの訴えを退けるか、といった結果が予想される。
ピュブリシス社は8月にもデリー高等裁判所に対し、一部の事件ファイルへのアクセス((link))を求める同社の要求に応じるよう要請している。同裁判所はCCIに対し、その姿勢を説明するよう求めており、木曜日にはこの件も審理される予定である。
なお、ピュブリシス社は、同社に対する調査の取り消しは求めていない。
幹部召喚
マディソン社はまた、監視当局が違法にも同社の弁護士に事件の基礎となる重要な証拠を確認させなかったと主張している。
CCIは8月にマディソンに宛てた書簡の中で、インドの法律は調査中の「調査記録の閲覧」を認めていないと主張した。
CCIの調査は通常数ヶ月かかる。CCIは、不正行為を行った1年ごとに、最大で利益の3倍、またはインド企業の世界売上高の10%のいずれか高い方の金額を、代理店に罰則として科す権限を持っている。
CCIはまた、バルサラとサクジャを召喚し、来週調査チームに出頭させ、一定の説明を求めたという。マディソンは召喚状の破棄を求めている。