タイレノール巡り妊婦の間で不安広がる、トランプ氏の警告で

Julie Steenhuysen　Julia Harte　Deena Beasley

[シカゴ ２５日 ロイター] - トランプ米大統領が解熱鎮痛剤「タイレノール」の成分であるアセトアミノフェンについて、妊娠中の使用と自閉症発症に関連性があるとして、妊婦に服用しないよう呼びかけたことを受け、医師らは妊婦からの懸念の声に直面している。

トランプ氏は２２日の記者会見で、科学的根拠が乏しいにもかかわらず、自閉症発症との関連性を指摘。リスクを強調するために薬のラベルに警告を追加すると述べた。

記者会見の翌日、ジャクソンビルの小児科医で米国小児科学会フロリダ支部長のラナ・アリッサ氏は、産婦人科医とともに病院の新生児保育室で当直をしていた。

同医師は「妊婦たちはタイレノールについて盛んに質問していた。『どうしたらいいですか？安全だと思いますか？タイレノールを先月飲んだばかりです。もう赤ちゃんを傷つけてしまったと思いますか？』これらはわれわれが耳にする質問の一例だ」と話した。

ニューヨークとニュージャージーを拠点とする産婦人科医、レイチェル・ブレイク氏は２３日に薬の安全性を懸念する数人の妊婦を安心させたと明らかにし、「ガイドラインを変更する必要性を示唆する新たな研究はない」と語った。

母体胎児医学会会長のシンドゥ・スリニバス医師は、妊娠中のタイレノール使用と自閉症を結びつけることは、妊娠中に何かを服用しなければならない場合、すでに多くの罪悪感と恐怖を抱いている妊婦をさらに責めることになると指摘する。

アセトアミノフェンは、妊婦に安全とされる唯一の鎮痛剤だ。医師はすでに、妊娠中の痛みや発熱をコントロールするために、可能な限り短い期間、最小限の量を使用するよう促している。