Svea Herbst-Bayliss
[ニューヨーク 9月4日 ロイター] - アクティビスト投資家スターボード・バリューは、ビル・ホールディングスBILL.Nの株式8%を保有しており、世界中の中堅・中小企業にサービスを提供する金融自動化ソフトウェア会社の改革を推進するため、取締役会での挑戦を実行する可能性があると、この件に詳しい2人の情報筋がロイターに語った。
時価総額が50億ドル近くあり、米国内総生産の1%以上が同社のプラットフォームを経由しているBILLホールディングスは、1月以降株価が半分近く下落した。
2019年の新規株式公開以来、サンノゼに本社を置く同社の株価は17%上昇したが、2021年11月の史上最高値から木曜日には46.88ドルまで86%暴落した。同社は8月に3億ドルの自社株買い戻し計画を発表し、株価が過小評価されていることを認めた。
BILLホールディングスの株価が最近下落したため、スターボードはポジションを構築している。同社は米証券取引委員会(SEC)に提出する予定だが、同委員会は資産運用会社に対し、持ち株比率が5%を超える米国企業の持ち株を報告することを義務付けており、同社はその変更を求めるつもりだと、この件に詳しいが公には話せない情報筋は述べている。
スターボードからのコメントは得られていない。ビル・ホールディングスのコメントは得られていない。
アナリストによると、同社は15%の収益成長を見込んでいるが、株価は収益のわずか3倍で、テクノロジー企業の中では最も割安な部類に入るという。
同社の取締役12名のうち4名は今年の年次総会で選挙に立候補する予定で、情報筋によると、スターボードは土曜日の締め切りまでに4名もの取締役候補を指名する可能性があるという。
スターボードによるビル・ホールディングスの改革計画についての詳細は不明。
スターボードは、バンドエイドメーカーのケンビューKVUE.N(同社の最高経営責任者兼最高投資責任者のジェフ・スミス氏が現在取締役を務めている)や、ソフトウェア設計会社のオートデスクADSK.O(今年初めに2人の独立取締役が取締役会に加わった)のように、取締役候補を指名し、その後対象企業と和解することが多い。
先月提出された10-K年次報告書の中で、同社は「活動家株主による行動や提案の結果、事業に悪影響が及ぶ可能性がある」と述べ、委任状争奪戦には時間と費用がかかる可能性があり、「活動家が出現した場合、彼らの活動は当社の戦略実行能力を妨げ、当社の事業からリソースをそらす可能性がある」と付け加えた。
スターボードによるビル・ホールディングスへの新たな出資は、同社のライバル企業数社が戦略的バイヤーやプライベート・エクイティ企業によって買収された時期に行われた。投資家がドナルド・トランプ大統領の新しい関税・税制政策に安心感を抱いた後、M&A市場はより活発になった。
MelioはXeroに (link)、AvidXchangeはプライベート・エクイティ会社のTPG (link) に買収され、EskerはBridgepoint (link) に買収された。こうした動きを受けて、BILLホールディングスも魅力的な買収候補ではないかと推測するアナリストもいる。
スターボードは、対象企業の経営改善を提案し、戦略的な改革を推し進めることで知られており、テクノロジー分野への投資にも実績がある。また、ここ数ヶ月は特に多忙で、エンジニアリング素材メーカーのロジャースROG.Nへの9%以上の出資や、旅行会社のトリップアドバイザーTRIP.Oへの9%以上の出資を報告している。