「クリプトネイティブ」から「ウォール街の巨人」へ――IBITがデリビットを抜き、ビットコイン・オプション取引の首位に

TradingKey - ビットコイン主導の暗号資産市場が伝統的なウォール街金融にさらに深く統合される中、機関投資家のデジタル資産アロケーションへの熱意が、この新興資産クラスの取引インフラを再構築している。

ブルームバーグによると、ブラックロックの「iShares Bitcoin Trust（IBIT）」が、長年クリプトネイティブ・トレーダーに支持されてきたデリビット（Deribit）を上回り、世界最大のビットコイン・オプション取引所となった。

先週金曜日の限月（エクスパイアリー）後、IBIT連動オプションの未決済建玉（オープン・インタレスト）は約380億ドルに達し、デリビットの320億ドルを上回った。

2016年に設立され、オランダ・アムステルダムを拠点とするデリビットは、長年にわたりビットコインおよびイーサリアムの先物、オプション、パーセプチュアル（永続）先物に特化して事業を展開してきた。高い流動性、低レイテンシー（遅延）、高度な取引ツールを備え、暗号資産トレーダーの間で最も人気のあるプラットフォームとなり、BTCおよびETHオプション市場で約90％のシェアを占めていた。

一方、IBITは2024年11月にオプション取引を開始したばかりだが、わずか1年足らずで首位に躍り出た。さらに、IBITは上場からわずか341営業日で運用資産総額（AUM）が700億ドルを突破しており、これはETF史上最速の記録である。これに対し、SPDRゴールド・シェアーズ（GLD）やバンガードS&P500 ETF（VOO）といった既存ファンドが同水準に到達するには少なくとも1,600日を要している。

暗号資産市場の構造的転換

ブルームバーグは、IBITのオプション取引高の急増が、暗号資産市場における構造的な変化を浮き彫りにしていると指摘している。すなわち、レバレッジをかけた投機的なデリバティブ取引所から、米国金融システムの規制された中核的構成要素へのシフトだ。

このトレンドは強力なフィードバックループを生み出している。流動性が高まれば信頼性が向上し、それがさらなる資金流入を呼び込む。

ブラックロックのような伝統的金融大手が、規模、コンプライアンス、信頼性をもたらすことで、単に暗号資産市場に参入しているだけでなく、その市場そのものを再定義しているのだ。

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