
Gilles Guillaume
[パリ 11月10日 ロイター] - フランスのルノーRENA.PAは、ヴァレオVLOF.PAとのレアアース(希土類)フリーの新しい電気自動車用モーターの開発プロジェクトを終了し、代わりに安価な中国のサプライヤーを探していると、この問題に詳しい2人の情報筋がロイターに語った。
ルノー、ゼネラルモーターズGM.N、BMWG.DEなどの自動車メーカーや、ゼット・エフ、ボルグワーナーBWA.N、ヴァレオなどのサプライヤーは、レアアースを必要としない電気自動車用モーターの開発を進めている。
ルノーは2023年後半、レアアースを使用しない、より強力でコンパクトな新しいEV用モーターをヴァレオと共同開発していると発表した。
中国は世界のレアアース採掘の70%、精錬の85%を支配しており、北京がレアアースの輸出規制を強化する決定を下したことで、業界は供給を求めて (link) に奔走している (link)。
ルノーは2012年からレアアース不使用のモーターを使用しており、ヴァレオは新しい銅線技術を使用して、ステーター(ローターが収められている固定部分)に関する専門知識をもたらした。
「E7Aエンジンのプロジェクトは、もはやヴァレオとは行っていない」と、2人の関係者のうちの1人は語った:「中国のサプライヤーから購入する可能性のあるステーターを除いて、バリューチェーン全体にわたって完全に社内で行われることになる」。
レアアース・フリー・モーター・プロジェクトへのヴァレオの関与を打ち切るというルノーの決定と、フランスの自動車メーカーがより低コストの中国のサプライヤーを探していることは、これまで報じられてこなかった。
この動きはコスト削減の必要性によるもので、中国のサプライヤーは非常に競争力のある価格を提示していると、両方の情報筋は述べている。
「ルノーのEV子会社であるアンペールの広報担当者は、「中国のパートナーは可能性がある」と述べた。
ヴァレオはコメントを控えた。
メイド・イン・フランス」の目標は残る
中国企業がステーターに貢献したとしても、モーターはフランスのクレオンにあるルノーの工場で製造され、もうひとつのEVの中心部品であるインバーターには、イタリアのSTMicro社から炭化ケイ素モジュールが提供される。
(「ステーター) をフランスに置く可能性を検討しています」とアンペールの広報担当者は述べた。
ルノーは主流のレガシーカーメーカーの中では規模が小さく、EV開発に関連するコストを管理するために、ここ数年で数多くのパートナーシップを築いてきた。
また、EV技術の最先端を行く中国のサプライヤーにも目を向けてきた。中国のエンジニアリングチームは、わずか2年で新型電気自動車トゥインゴ (link) を開発するのに貢献した。
レアアースを使用しない新型モーターは、2028年までにルノーの次世代小型EVを駆動する。これらは、フランソワ・プロヴォスト最高経営責任者(CEO)が3月に発表する予定の戦略計画の中核となる。
E7Aモーターは、シーニックなどの現行世代より25%多い200kWのパワーを持ち、現行のルノーEVモデルの2倍の電圧である800ボルトシステムによって充電時間が大幅に短縮される。
ヴァレオは現在もドイツのサプライヤーであるマーレと共同で、独自のマグネットフリー「iBEE」EVモーターを開発中で、最大350kWのパワーを発揮し、こちらも2028年に市場に投入される予定だ。