David Jeans
[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米海軍が開発を進める自律型海上ドローン(無人艇)が困難に直面している。カリフォルニア沖で先月行った航行テストで1隻が別の無人艇に衝突・沈没していたことが、ロイターが入手した動画で分かった。
この事故はこれまで明らかになっていなかった。関係者によると、これらの無人艇は米防衛企業サロニックとブラックシー・テクノロジーズが製造したという。
また、その数週間前の試験中にもブラックシー製の無人艇が突然加速し、転覆した支援船の船長が海上に投げ出される事故が起きていた。
事情に詳しい関係者によると、どちらの事故もソフトウエアの不具合と人為的ミスに起因しているという。
米海軍、サロニック、ブラックシーはコメントを拒否した。
米軍高官らは、ウクライナ戦争における海上ドローンの影響力の大きさを踏まえ、中国による台湾侵攻の可能性を阻止するには、自律型の空中・海上ドローン群が必要だと繰り返し強調している。台湾も独自の海上ドローン隊の整備を始めている。
ウクライナで開発されている無人艇は座席のないスピードボートのような形で、武器や爆発物などを搭載可能。主に遠隔操作され、価格は25万ドル近い。
一方、米国は人間の指揮なしで集団で移動できる自律型艦隊の構築を目指している。1隻当たり数百万ドルと高額で、より野心的な取り組みと言える。