Stephen Nellis Max A. Cherney
[サンノゼ(米カリフォルニア州) 16日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアNVDA.Oのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は16日の開発者会議における基調講演で、同社の人工知能(AI)半導体の売上高が2027年末までに少なくとも1兆ドルに達する可能性があるとの見通しを示した。
フアン氏はカリフォルニア州サンノゼで開催中の年次開発者会議「GTC」で、新たなCPU(中央演算処理装置)と、2025年12月に170億ドルで技術ライセンス契約を結んだ半導体新興企業Groq(グロック)(訂正)の技術に基づくAIシステムを披露した。これらはAIモデルが学習段階から推論段階へ移行する中で、同社の足場を強化しようとするフアン氏の取り組みの一環だ。
フアン氏は「推論の変曲点が到来した」と述べ、「需要は増え続けている」と強調した。
フアン氏は売上高1兆ドル到達の予想について詳しい内容は明らかにしていない。直近のガイダンスでは、今年の収益機会は5000億ドル前後になると説明していた。
この日のエヌビディア株は新たな予測を受けて一時大幅に上昇したが、終値は1.2%高だった。
イーマーケターのアナリスト、ジェイコブ・ブーン氏は、1兆ドル予想について「投資家の懸念があっても、エヌビディアのAIインフラに対する持続的な需要が存在することを浮き彫りにしている。AI業界全体が初期の実験段階を超えて大規模な実装に突入しても、エヌビディアはAI半導体市場で主導権を維持していることがうかがえる」と評価した。
フアン氏の説明では推論は2つのプロセスに分かれる。CPUや画像処理装置(GPU)などを一体化した次世代AIデータセンター向けプラットフォーム「ベラ・ルービン」が第1段階の「プリフィル(膨大な入力情報を一気に読み込む作業)」を、グロックの新型半導体が第2段階の「デコード(情報を理解して回答文として逐次出力する作業)」をそれぞれ担うという。
またエヌビディアが競争で優位にある根拠の1つとしてフアン氏は、GPU向けの並列計算プラットフォーム「CUDA」に言及した。
フアン氏は「導入ベースがあるからこそ開発者が引き寄せられ、彼らが画期的な技術を生み出す新しいアルゴリズムを創造する。われわれは全てのクラウドに依存し、あらゆるコンピューター企業に関与し、ほぼ全ての産業に製品や技術を提供している」と語った。