
[ 10月15日 ロイター] - デンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクNOVOb.COとオメロスOMER.Oは、希少な血液および腎臓疾患のために開発されている同社の実験薬について、最大21億ドル相当のライセンス契約を締結したと、水曜日に発表した。
オメロスの株価は午前中の取引で2倍以上の9.90ドルになった。
この契約の一部として、ノボ社はオメロス社の薬剤ザルテニバートを開発・商業化する独占的な世界的権利を獲得する。ザルテニバートはMASP-3(補体の代替経路の主要な活性化因子として働くタンパク質)を阻害するように設計されている。
補体経路は、血液中のタンパク質からなるシステムで、感染症と闘う免疫系の能力を高める。
オメロスは、3億4,000万ドルの契約一時金と当面のマイルストンを含め、最大で総額21億ドルを受け取る資格がある。
同社は3月に、免疫系の一部が赤血球と血小板を攻撃し損傷する稀な血液疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH) を対象とした後期臨床試験の登録を開始したと発表していた。
ザルテニバートは、現在開発中あるいは上市されている他の代替経路阻害薬と比較して、いくつかの潜在的な優位性を示した、と両社は述べている。
ザルテニバートは臨床試験において安全で忍容性も良好であった。
買収完了後(2025年第4四半期を予定)、ノボ社はPNHを対象としたザルテニバートのグローバルプログラムを開始し、その他の希少な血液・腎臓疾患での開発を検討することを目標としている。
オメロスは今期も、もう一つの実験薬であるナルソプリマブの承認取得に注力している。
ナルソプリマブは、造血細胞移植後に起こりうる合併症である移植関連血栓性微小血管症の治療薬として、米国および欧州での承認取得を目指している。
オメロスはまた、ザルテニバートに関連しない前臨床MASP-3プログラムについても、適応症を限定した低分子MASP-3阻害剤の開発・商品化権を含む一定の権利を保持している。