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イラン紛争が生んだ米欧の亀裂、NATOは危機から「変身」するか

ロイターApr 3, 2026 8:54 AM

Gram Slattery Andrea Shalal Andrew Gray John Irish

- 米国とイスラエルが仕掛けたイラン戦争は、大西洋を挟んだ米欧に大きな亀裂を生んだ。北大西洋条約機構(NATO)は創設以来、最大の危機に直面しており、安全保障の中核をなす相互防衛の約束はもはや当然のものとは見なされなくなったと、アナリストや外交官らは語る。

トランプ米大統領は1日に行ったイラン情勢に関する演説で、米国の同盟国を批判したものの、NATOへの直接的な非難には踏み込まなかった。しかし、欧州に対するここ数週間の数々の辛辣な発言を踏まえると、米国が正式にNATOを脱退するかどうかにかかわらず、欧州の同盟国が攻撃を受けた場合に米国が救援に駆けつけないのではないかという懸念は拭えない。

「NATOは依然として必要だ。だが米国抜きのNATOを想定できなければならない。NATOという名称を維持すべきかという問いも当然出てくるだろう」と2017─21年にフランス軍参謀総長を務めたフランソワ・ルコアントル氏は語る。

NATO離脱論は、第1次トランプ政権でも台頭した。しかし欧州では、何とかトランプ氏をおだて持ち上げてつなぎ留められると考えられていた。しかしここにきて、そう考える人は減っていると、米欧の現職・元当局者は指摘する。

「NATOにとって最悪の状況だ。トランプ氏がホワイトハウスに復帰して以来、(自国の防衛について)より多くの責任を引き受ける意思と能力があることを示そうと懸命に努力してきた同盟国にとって大きな打撃だ」と元NATO高官で現在はシンクタンク「フレンズ・オブ・ヨーロッパ」のシニアフェローであるジェイミー・シェイ氏は語った。

<もう元には戻れない>

法的には、トランプ氏にNATOから離脱する権限がないともいえる。23年に成立した法律では、同盟離脱には上院の3分の2の同意が必要と規定する。

しかしアナリストらは、最高司令官としてトランプ氏はNATO加盟国を米軍が防衛するかどうかを決定できると指摘する。防衛を拒否すれば、正式な離脱なしに同盟を危機に陥れることが可能だ。

来週、トランプ氏と良好な関係を持つルッテNATO事務総長がワシントンを訪問する。アナリストは、米国が有事に駆けつけてくれるか分からなくても、NATOに引き留めておく十分な理由が欧州にあると指摘する。米軍はNATOが容易に代替できない衛星情報などさまざまな能力を提供している。

しかし、たとえ米国がNATOに残留しても、第2次世界大戦以降の国際秩序の中心を担ってきた大西洋をまたぐ同盟は、もはや元には戻らない、というのが外交官やアナリスト、当局者の見方だ。

バイデン前米政権でNATO大使を務めたジュリアンヌ・スミス氏は「80年にわたる協力関係のページをめくろうとしている。NATOの終わりを意味するとは思わないが、われわれは今、見た目も感触も異なる何かに変化する入り口に立っている」と語った。

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