
Laurie Chen Trevor Hunnicutt Jeffrey Dastin
[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ米政権が計画する輸入半導体を対象とした品目別関税の発動時期が遅れる公算が大きくなっていることが、複数の関係者の話で明らかになった。
事情に詳しい関係者らによると、過去数日間で米政府や民間企業の要人に当局の担当者が半導体関税を早期に課さない可能性がある、と非公式に伝達した。また別の関係者は、政権が中国を刺激するのを避けるため、より慎重な態度になっていると説明した。
トランプ大統領は、先月の習近平国家主席との会談で合意した貿易戦争の「休戦」状態を維持したい方針。2人の関係者は、このためトランプ氏周辺は、半導体関税で再び報復合戦に戻ることがないよう、対応に時間をかけていると述べた。
米国内では、消費者の間から一向に解消されない物価高を巡る不満が高まっているという事情もある。輸入半導体の追加関税が実施された場合、冷蔵庫からスマートフォンまでそうした半導体を搭載するさまざまな製品の販売価格が押し上げられかねない。
トランプ氏は8月、輸入半導体に100%前後の関税を課す一方、米国で製造中、もしくは製造予定の企業は関税を免除すると表明し、複数の政府高官は近いうちの発動を示唆していた。
政権側は、半導体関税についての姿勢が変わったとの見方を否定。ホワイトハウスのデサイ報道官は「トランプ政権は国家安全保障と経済安全保障にとって重要な製造業を米国に戻すために、引き続きあらゆる行政権限を行使する決意だ。匿名の情報源でそうではないと伝える報道は全くのフェイクニュースだ」と強調した。
商務省高官の1人は、半導体関税に関する省の政策に変化はないと語ったが、それ以上の詳細には言及しなかった。