Maggie Fick
[ロンドン 9月4日 ロイター] - フランスの製薬会社サノフィSASY.PAの株価は、同社の炎症性疾患治療薬アムリテリマブの後期臨床試験データがウォール街を失望させたため、木曜日に10%以上下落し、時価総額から130億ドル近くが消えた。
同社によれば、アトピー性皮膚炎(湿疹の重症型)の治療薬として開発中のアムリテリマブは、第III相臨床試験ですべての主要目標を達成し、24週間後にプラセボと比較して皮膚クリアランスと疾患の重症度が統計的に有意に改善したという。
しかし、サノフィのベストセラーであり、2031年に特許が切れるデュピクセントには及ばなかった。
アムリテリマブはデュピクセントの後継薬として期待されており、バークレイズのアナリスト、エミリー・フィールド氏は、今回のデータ発表に先立ち、投資家はアムリテリマブをデュピクセントに続くサノフィの主要パイプラインと見ていたとロイターに語った。
「サノフィがデュピクセントに代わるパイプラインを、特許切れ後に十分に確保できないのではないかという懸念から、株価が大きく反応しているのです」とフィールド氏。「サノフィは、特許切れ後のデュピクセントに代わる十分なパイプラインを持たないという懸念から、株価は大きな反応を示している。
株価は0950GMTで10.3%下落し、サノフィは欧州の優良株であるSTOXX600指数.STOXXで最大の下落株となった。
デュピクセントは、サノフィが製薬会社のリジェネロンREGN.Oと共同開発し、共同所有している薬で、湿疹だけでなく、重度の喘息を含む他の免疫関連疾患にも承認されている。特許切れが迫る中、サノフィは免疫学への取り組みを倍増させ、アムリテリマブをその柱としている。
JPモルガンは、2024年にサノフィに約130億ユーロ(($152.2億))の売上をもたらすデュピクセントよりも、この薬の効果が低いことがデータで確認されたと述べた。
ジェフリーズのアナリストは、第III相試験の結果は、先の臨床試験やライバルの生物学的製剤には及ばなかったが、同剤の安全性プロファイルと12週間投与という簡便さは、依然として同剤の使用を支持する可能性があると述べた。
UBSは、デュピクセントより効果が弱いにもかかわらず、アムリテリマブの有効性は確かなものであるとし、注射を嫌う患者の中にはアムリテリマブの方が投与回数が少ないという利点があるため、この点は相殺されるかもしれないと付け加えた。
(ドル=0.8542ユーロ)