Sabrina Valle
[ニューヨーク 8月6日 ロイター] - 米国のキャビネット・メーカーであるマスターブランドMBC.Nとアメリカン・ウッドマーク・コーポレーションAMWD.Oは2日、非常に細分化された建築製品部門の統合が進む中、全株式取引で合併し、負債を含め36億ドル相当の会社を設立すると発表した。
両社の株価は、過去1年間で約半分に下落していた。高金利がデベロッパーと住宅所有者の借入コストを引き上げ、 2022年以降の建築活動を冷え込ませていたからだ。
このニュースを受けて、アメリカン・ウッドマーク社の株価は15%上昇して62ドル、マスターブランド社は8.12%上昇して12.25ドルとなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き下げ、住宅需要とリフォームを活性化させるとの期待が高まって いる。ジローは 2025年7月の分析で、米国は470万戸という記録的な住宅不足に直面していると述べた。
オッペンハイマーのアナリスト・レポートによると、老朽化した住宅ストック、持続的な供給不足、1.2兆ドルのインフラ投資・雇用促進法(Infrastructure Investment and Jobs Act)による 新たな商業・インフラ開発に支えられ、建築セクターは成長すると予想されている。
米国国勢調査局が発表した2023年の住宅ストック・スナップショットによると、米国の住宅の築年数の中央値は依然として40歳代前半で、過去最高齢となっており、修繕、リフォーム、建築製品に対する長期的な需要を支えている。
ほとんどの製造が国内で行われているため、関税の影響をほとんど受けないこのセクターでは、今年に入ってから建築用製品の取引が急増して いる。ホーム・デポによるGMS((link))の買収や、億万長者ブラッド・ジェイコブズ氏の会社QXOからのビーコン・ルーフィング((link))の110億ドルでの買収提案などである 。
アメリカン・ウッドマークとの 取引では、同社の株式は1株につき5.15株のマスターブランド株式と交換され、合併会社の所有権はマスターブランドが63%、アメリカン・ウッドマークが37%となる。2年目には収益の向上が見込まれ、3年目には年間9,000万ドルの経費削減が見込まれる。
統合後の会社の純資産価値は24億ドル、企業価値は36億ドルとなる。
取引は2026年初めに完了する予定である。
ロスチャイルド&カンパニーはマスターブランドの財務アドバイザーを務め、ジェフリーズはアメリカン・ウッドマークの財務アドバイザーを務めた。