Manya Saini
[ 7月24日 ロイター] - ナスダックNDAQ.Oの最高経営責任者(CEO)は24日、最近の大型IPOの好調な業績が新規上場の見通しを改善させたと述べ、第2四半期の利益予想を上回ったことで取引所運営会社の株価が7%上昇したことを受け、高揚感を示した。
同取引所の名を冠した新規株式公開は、2025年上半期に (link)、世界記録を更新した2021年以来の高水準に達した。
知名度の高い企業数社が市場デビューの場として同取引所を選んだほか、ショッピファイSHOP.Oやキンバリー・クラークKMB.Oなど、白紙撤回企業との合併やライバル取引所からの上場移管も上昇に貢献した。
ナスダックのアデナ・フリードマン最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、「最近の上場、特に大型企業の好調な業績は、今年の残りから2026年にかけてのIPO見通しに対する楽観的な見方を高めている」と述べた。
ナスダックを選択したネオバンクのチャイムCHYM.OやAIインフラ企業のコアウィーブCRWV.Oのような企業の最近の市場デビューは、数年にわたる干ばつの後、新規株式公開に対する投資家の意欲が一時的に戻っていることを示唆している。
ソフトウェア企業のFigma (link) は評価額164億ドルを目標に、来週IPOを完了し、取引を開始する予定だ。一方、いくつかの暗号スタートアップや、バイ・ノー・ペイ・レターの貸金業者Klarna、チップメーカーCerebrasは、今年後半に上場する予定と報じられている。
ナスダックは6月30日に終了した第2四半期に一株当たり85セントの利益を計上した。LSEGがまとめたデータによると、アナリストの平均予想は81セントだった。
不安定な市場が取引を押し上げる
ドナルド・トランプ大統領の積極的な関税発表、中東情勢の再燃、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に対する不透明感などにより、当四半期の米国市場は動揺した。
その結果、取引量は急増し、ナスダックでは米国株オプションの契約高が急増した一方、米国現物株の取引量は過去最高を記録した。
トレーディング業務を行うマーケット・サービスの収益は21%増となり、四半期ベースで過去最高を記録した。
デリバティブ取引所のCME (link) グループCME.Oも、市場のボラティリティに助けられ、第2四半期の利益でウォール街の予想を上回った。NYSEの親会社であるインターコンチネンタル取引所ICE.Nは、来週決算を発表する予定。
ナスダックの株価は、最終終値で今年約14%上昇し、ベンチマークであるS&P500.SPXを上回っている。
フリードマン氏のリーダーシップの下、ナスダックはトレーディングとリスティングにとどまらず、金融テクノロジーとソフトウェアへと事業を拡大し、市場の変動に左右されにくい、より予測可能で継続的な収益を構築している。
金融犯罪対策や資本市場インフラ・ソフトウェアを含む金融テクノロジー部門からの収益は10%増の4億6400万ドルだった。
「米国経済の回復力(()) は、活発な市場、インデックスへの資金流入、IPO状況の改善と同様に、当社の金融テクノロジー・ソリューション全体の堅調な販売パイプラインにつながった」とフリードマンは述べた。