Akash Sriram Abhirup Roy
[23日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラTSLA.Oが23日発表した第2・四半期決算は、売上高が過去10年以上で最悪の落ち込みとなった。より安価なEVメーカーとの競争や、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治的な言動が影響したとみられる。
株価は引け後の時間外取引で一時5%近く下落した。
テスラはまた、より手頃な価格のモデルの生産を開始しており、今年後半に量産開始を見込んでいると明らかにした。
バイブハブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)は会見で、低価格車の生産が来四半期から拡大すると述べた。これは当初の予想より遅い。同社はモデルの詳細や生産台数、価格について明らかにしなかったほか、最新の通期納車台数見通しも示さなかった。
イーマーケターのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏は「テスラのここ最近の険しい道のりを考えれば、期待外れの決算は驚きではない」としつつ、「真に低価格のモデルが高価格帯の車種を損なうことなく効果的なポジションを取ることができれば、売り上げを伸ばすという点で的を射るだろう」と述べた。
第2・四半期の売上高は前年同期比12%減の225億ドル。主力のスポーツ多目的車(SUV)「モデルY」の改良版投入で需要回復が期待されたものの、2四半期連続の減収となった。LSEGがまとめたアナリスト予想の227億4000万ドルも下回った。
規制クレジット売却収入が51%減少したことも売上高と利益に響き、調整後の1株利益は0.40ドルと、予想の0.43ドルを下回った。
規制クレジットを除いた自動車部門の売上総利益率は14.96%で予想を上回った。
第2・四半期の世界販売台数は13.5%減少した。
ロボタクシー「サイバーキャブ」と電動トラック「セミ」の量産は引き続き来年を見込んでいるとした。
マスク氏は今後数四半期は厳しい状況になるかもしれないとする一方、「来年末までには確実に自律走行が全面展開されるだろうが、その際にテスラの経済性があまり魅力的でないとすると私には驚きだ」と述べた。
テスラはサンフランシスコのベイエリア、ネバダ州、アリゾナ州、フロリダ州などでロボタクシーの認可を申請中で、オランダでは完全自動運転支援ソフトの認可が間近だという。マスク氏はロボタクシー事業について、来年末ごろには財務に大きな影響をもたらす可能性が高いと述べた。