By Patturaja Murugaboopathy
[25日 ロイター] - モーニングスターのデータによると、米長期債ファンドは5月の資金流入が74億ドルと月間ベースでは過去2年で最大規模を記録した。4月の急速な資金流出から反転した形だ。
モーニングスターの債券アナリスト、ジーナ・ドゥーベル氏は、5月の資金流入について投資家が成長鈍化を見越し、債券が他のよりリスクが高い資産を上回る価値を提供してくれると考えたことの表れだとの見方を示した。
米長期債ファンドは4月に大きく売り越された。トランプ米大統領の関税措置による物価押し上げや、税制・歳出法案に伴う財政赤字拡大と米国債の供給増が懸念されたためだ。
ただ複数のアナリストによると、関税交渉が進展するとともにこうした懸念は後退し、長期債需要が回復しているという。
フィデリス・キャピタル・パートナーズの債券責任者を務めるクリス・ギュンスター氏は「長期債の価格はインフレの影響を受けやすく、最近のデータからは物価上昇率が米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%をほとんど上回っていないことが分かる。インフレ懸念が小さい限り、米長期国債は株式をはじめとするリスク資産の値下がりに対するヘッジ手段として再び存在感を主張するはずだ」と述べた。
その上で同氏は「賢い投資家は既に長期金利(への投資を)固めているのは間違いない」と付け加えた。
モーニングスターのデータに基づくと、5月は中期債ファンドにも42億ドルが流入したが、短期債ファンドからは58億ドルが流出した。
iシェアーズのETF(上場投資信託)では、「20年超米国債ETF」への資金流入が43億ドルと最も大きく、「10─20年米国債ETF」と「7─10年米国債ETF」にはそれぞれ12億ドルと6億2500万ドルが流入した。