Stephen Nellis
[サンフランシスコ 25日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアNVDA.Oは人工知能(AI)サーバーを駆動する専用の画像処理装置(GPU)で莫大な富を築いたが、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は汎用性の高い中央処理装置(CPU)への愛着をますます公言している。
CPUは数十年にわたって、コンピューターの主要な頭脳として伝統的に見なされてきた。インテルINTC.Oやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)AMD.Oの製品が有名だ。
フアン氏はよくこう語る。かつてはコンピューティングの90%がCPUで、10%がエヌビディア製のような半導体で行われていたが、近年ではその比率が逆転したーーと。
しかし現在、CPUは復活の兆しを見せている。AI企業がモデルの訓練から展開へと移行する中、CPUは同等かそれ以上の選択肢と見なされるようになっており、エヌビディアは自社の大きな成長機会と位置付けている。
フアン氏は25日、第4・四半期決算に関するアナリスト向け電話会議で「われわれはGPUと同様にCPUも愛している」と明言。エヌビディアはCPUの復活に備えているだけでなく、2023年に初めて発表したデータセンター向け自社CPU製品が競合他社を凌駕(りょうが)すると確信していると語った。nL6N3ZL1BJ nL6N3ZM04V
ラスベガスで先月開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、フアン氏は、データセンターで使用される高性能のエヌビディア製CPUの数が爆発的に増加すると述べ「エヌビディアが世界最大のCPUメーカーの一つになるとしても驚かない」と語っている。
<「エージェント」でCPUに脚光>
CPUとGPUは異なる計算タスクを担う。CPUは汎用チップであり、ソフトウエアプログラマーが与えるあらゆる数学的タスクを、作業内容に応じた妥当な速度で処理するよう設計されている。GPUは、より単純な数学的タスクを実行することに特化しており、それらの計算を数千回同時に並列処理する。
AI企業はコード記述、文書検索、研究報告書作成などのタスクを自律的に実行できる「エージェント」の開発を加速させている。クリエイティブ・ストラテジーズのアナリスト、ベン・バジャリン氏は「この種の計算処理はますます、時には主にCPU上で実行されている」と指摘する。
エヌビディアの現行のフラッグシップAIサーバー「NVL72」は、同社のCPUを36基、GPUを72基搭載している。バジャリン氏は、エージェントではこの比率が1対1に変化する可能性、あるいはGPUが完全に不要になる可能性さえあると見ている。
<CPUに対して「根本的に異なるアプローチ」>
エヌビディアは最近、メタ・プラットフォームズ META.O とのCPU関連の 契約を発表、この分野への意欲を示した。契約によると、メタは、エヌビディアのCPU「グレース」と「ベラ」をスタンドアロ ーンベースで大量採用する。nL6N3ZD0YN
フアン氏は、アナリスト向け電話会議で、エヌビディアはCPUに対して根本的に異なるアプローチを取っていると強調。エヌビディア製CPUは「極めて高いデータ処理能力に特化して設計されており」、大量のコンピューターメモリへの良好なアクセス環境下で、多くの単純タスクを連続して実行可能だと説明した。
ホットテック・ビジョン&アナリシスの主席アナリスト、デイブ・アルタヴィラ氏は、エヌビディアは「かつてインテルが主に供給していたCPUタイプが、もはや現代のコンピューティングインフラの当然の前提基盤ではないことを証明しようとしている」と指摘。「それは複数の選択肢の一つに過ぎなくなる」と述べた。
フアン氏は、シリコンバレーで来月開催される同社の年次開発者会議で、CPUに関するさらなる情報を開示する予定だとしている。