エヌビディア、中国需要でＴＳＭＣにＨ２００増産を要請＝関係筋

[３１日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアNVDA.O は、先端半導体「Ｈ２００」への中国企業から旺盛な需要に応えるため、製造委託している台湾のＴＳＭＣ2330.TW に生産増強を打診した。関係筋が明らかにした。

関係筋２人によると、中国のテクノロジー企業は２６年に向け２００万個以上のＨ２００半導体を発注しているが、現在エヌビディアが保有している在庫は７０万個に過ぎない。

エヌビディアがＴＳＭＣに追加発注する正確な数量は不明。別の関係筋によると、エヌビディアは追加分の生産開始をＴＳＭＣに要請しており、来年第２・ 四半期には開始される見込みという。

中国政府はまだＨ２００の出荷を許可していないためエヌビディアにとりリスクとなる可能性がある。 トランプ政権は最近、中国への輸出を許可した。

エヌビディアは中国顧客に提供するＨ２００バリエーションを決定、１個あたり２万７０００ドル前後で販売する予定という。

コメント要請に対してエヌビディアの広報担当者は、サプライチェーンを継続的に管理しているとし、「中国顧客に対するＨ２００のライセンス販売が、米国顧客への供給能力に影響を与えることはない」と述べた。

２人の関係筋によると、エヌビディアは中国顧客に対して大まかな価格設定を示しているが、購入量や特定顧客との取り決めによって異なると。

８チップモジュールの価格は約１５０万元になる見込みで、以前１２０万元程度で販売されていたＨ２０モジュールよりも若干高めになるという。

関係筋によると、Ｈ２００の性能がＨ２０（中国市場向けに特別設計したダウングレードチップ 、後に中国政府が出荷を阻止した）の約６倍であるため、中国のインターネット企業は価格設定を魅力的に見ているという。

この価格は現在小売価格が１７５万元以上の非正規市場の代替品と比べて１５％程度の割引に相当する。

サウス・チャイナ・モーニング・ポストは３１日、関係筋の話として、Ｈ２００の中国販売が認可された場合、字節跳動（バイトダンス）は２６年にはエヌビディア製に約１０００億元を投じる予定と報じた。２５年は約８５０億元だった。