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インテル、最先端チップ向けに中国系の製造装置試験か 子会社は制裁対象

ロイターDec 15, 2025 2:14 AM

Alexandra Alper Max A. Cherney

- 米半導体大手インテルINTC.Oが今年、中国と関係が深く、子会社が米国の制裁対象となっている半導体装置メーカー、ACMリサーチの装置を試験していたことが分かった。関係筋2人が明らかにした。

ACMリサーチは米西部カリフォルニア州に拠点を置く半導体製造装置メーカーで1998年設立。創業者のデービッド・ワン氏が現在も最高経営責任者(CEO)を務め、議決権株式の57%を保有している。会社の中国語ウェブサイトによると、ワン氏は米国籍を持つとともに中国でも永住権を取得している。

同社は、米国を本拠としながらも研究開発の大半は中国で行っている。米政府が制裁を科している中国の半導体メーカーYMTCや米国防総省が中国軍支援企業と認定したCXMTにも装置を販売。やはり米政府から制裁を受けている中国の半導体受託生産大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)も、売上高の14%を占める大口顧客だ。

上海と韓国にある子会社2社は、米政府が昨年、商用技術の軍事移転や先端半導体・半導体製造装置の生産を進める中国政府の取り組みを支援すると認定した。

インテルがACM側から取り寄せたのは、シリコンウエハー上に回路を設定していく半導体製造過程で化学薬品によって不要な部分を除去する「ウェットエッチング」を行う2台の装置。この装置が、2027年投入予定のインテルの最先端チップ製造プロセス「14A」で使える可能性があるかどうか試験された。

インテルが同プロセスにACMの装置を配置する決定を下したかは確認できていない。インテルは今年14A向けにACMの装置を試験したかどうかについてはコメントしなかったが、ロイター向けの声明でACMの装置は「当社の半導体製造プロセスに利用されておらず、米国の法令・規則全てを順守している」と説明した。

ACMは「特定の顧客との関係」についてはコメントできないとしつつ、「米国を拠点とする大手半導体メーカー」に装置3基を出荷し、それらはテスト中で、一部は性能基準を満たしたことを公表していると述べた。

インテルは8月、トランプ大統領から中国との関係に疑惑があるとして最高経営責任者(CEO)の辞任を求められたが、これを回避した経緯がある。

対中強硬派からは、現在米政府が出資するインテルが、制裁対象の事業部門を持つ企業の装置を最先端の製造ラインに導入することを検討しているという事実は、重大な国家安全保障上の懸念を引き起こすとの声が出ている。

警戒されているのはインテルの機密に属する技術的ノウハウが中国に移転する恐れや、信頼できる西側の半導体装置メーカーが中国企業にとって代わられる事態、さらに中国政府による破壊工作の潜在的なリスクだ。

バイデン前政権時代にホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)高官だったクリス・マグワイア氏は、インテルによるACMの装置試験は「米国の技術保護政策に存在する重大な欠陥を浮き彫りにしており、許されるべきではない。中国製装置は中国政府に遠隔または物理的に操作され、米国の半導体生産を簡単に低下させたり停止させたりできる」と指摘。「米国企業は中国による半導体製造装置の改善を手助けするべきではない。これらの装置は全ての先端技術開発の基盤だからだ」と述べた。

一方ACMは、同社は国家安全保障上の脅威を生み出していないと反論。米国事業は制裁対象の上海子会社から「分離・隔離」されており、米国の顧客は米国の従業員に直接サポートされているほか、顧客の秘密保護には強固な安全対策が講じられていると説明した。

免責事項:本サイトで提供する情報は教育・情報提供を目的としたものであり、金融・投資アドバイスとして解釈されるべきではありません。
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