アップル、欧州委が是正策阻止と主張　ＤＭＡ違反の申し立てに反論

Foo Yun Chee

［ブリュッセル　２２日　ロイター］ - 米アップルAAPL.Oのアプリ市場「アップストア」や端末の規約が欧州連合（ＥＵ）の巨大ＩＴ企業規制「デジタル市場法（ＤＭＡ）」に違反していると、欧州の２つの市民団体が２２日、欧州委員会に申し立てた。アップルは、市民団体の主張を否定し、責任は欧州委にあると指摘した。

アップルは今年４月、ＤＭＡ違反で欧州委から５億ユーロ（５億８３００万ドル）の制裁金を科されている。

申し立ては、アップストアとｉＰｈｏｎｅ基本ソフト（ＯＳ）「ｉＯＳ」・ｉＰａｄのＯＳの規約に関して、中小企業によるアップル端末との相互運用を妨げているとし、制裁金を科すよう求めている。

サードパーティによるアプリやアプリストアのインストール・利用に対する制限も、ユーザーに悪影響を与えておりＤＭＡに違反すると指摘した。

アップルの「アップストア」でアプリを提供したい開発者などが１００万ユーロのスタンバイ信用状（ＳＢＬＣ）を求められることを挙げ、「１００万ユーロのＳＢＬＣは、多くの中小企業が対応できないようなコストとなる可能性がある」としている。

かねて、自社の規約はアップストアなどがユーザー・開発者の保護に関する特定の最低要件を満たしていると説明しているアップルは２２日、欧州委がストアの運営方法を巡り開発者を混乱させ、ユーザーにとって好ましくない規約を強要していると主張。「当社は数カ月前、開発者側の柔軟性向上に向け信用状（Ｌ／Ｃ）の要件をさらに追加する計画を欧州委に通知したが、認められなかったと説明した。

欧州委は、計画を受け取っているとした。

欧州委の報道官は「第三者の意見はＤＭＡの効果的な施行にとって非常に重要」とした上で、「すでに（一部）問題を検討している。現在アップルの規約に関して市場参加者に意見を求めており、ゲートキーパーのコンプライアンスを定期的に監督している」と述べた。