【米国IPO】ブラックロックコーヒーバー、米IPOで2億9,400万ドル調達——レストラン業界のIPO空白打破

TradingKey - 米国コーヒーチェーンのブラックロックコーヒーバーが木曜日、新規株式公開（IPO）を完了。2023年のカヴァ・グループ上場以来、初のレストラン企業による米国市場上場となった。

IPOは1株20米ドルで1,470万株を価格付け、総額2億9,410万米ドルを調達した。このIPO価格に基づくブラックロックコーヒーバーの時価総額は約9億5,630万米ドル。当初設定されていた16～18米ドルの価格レンジを上回り、市場の強い需要を反映した。

関係筋によると、申し込み需要は発行規模の約20倍に達したという。大手資産運用会社ウェリントン・マネジメントは、本IPOで最大3,000万米ドル相当の株式購入に意欲を示し、IPOを大きく後押しした。

本IPOはJ.P.モルガン、ジェフリーズ、モルガン・スタンレー、ベアードが共同引受。ブラックロックコーヒーバーの普通株は、米東部時間金曜日にナスダック・グローバル市場で「BRCB」というティッカーコードで取引を開始する予定だ。

2008年にオレゴン州ビーバートンで1店舗から創業した同社は、ドライブスルー型利便性サービスを特徴とするコーヒーリテイラーへと成長。ホットコーヒー、アイスコーヒー、アイスティー、エナジードリンク、朝食食品を含む商品ポートフォリオを展開し、顧客の迅速かつ便利な消費ニーズに対応している。

最近の四半期で堅調な成長を遂げたものの、関税とインフレの影響でコスト上昇にも直面している。

提出書類によると、今年6月30日締めの四半期で同社は5,040万米ドルの売上高を計上。前年同期の4,060万米ドルから大幅増加したが、純損失は110万米ドルと、前年同期の52万2,000米ドルから拡大した。

同社はコーヒー豆の輸入に大きく依存しており、主要調達国はブラジル、エチオピア、コロンビア、メキシコ。ブラジルやベトナムなど主要生産国での干ばつに加え、米国がブラジルからの輸入コーヒー豆に課す50％の関税が重なり、原材料コストが上昇。世界のコーヒー価格は歴史的高値を維持している。

地域市場をローカル知識と忠実な顧客基盤で獲得しているブランドとして、ブラックロックコーヒーバーは業界大手から市場シェアを奪うべく積極的に競争を展開中。2025年に約30店舗の新規出店を計画しており、年間で約20％の店舗成長率を維持し、2035年までに総店舗数を1,000店まで拡大する長期目標を掲げている。

競合他社のダッチ・ブロスは2021年に上場し、IPO以来株価が2倍以上に上昇している。

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