[東京 27日 ロイター] - 中外製薬4519.Tが急伸し、一時4.9%高の6307円に上昇した。同社が創薬し米製薬大手イーライリリーLLY.Nが開発している経口型肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」の糖尿病患者を対象とした後期臨床試験で主要目標を達成したとイーライリリーが発表したことが手掛かりになっている。米国市場でイーライリリーLLY.N株は6%近く上昇していた。
同薬が承認され販売されれば、中外製薬はロイヤリティー収入を受け取る。後期臨床試験は2回実施し、2回目となる今回は2型糖尿病で肥満症または太り過ぎの症状を抱える成人を対象とした。前回は糖尿病を除く肥満症または太り過ぎの問題を抱える人を対象とし、その結果が市場の期待に届かず売りが優勢になった経緯があった。
糖尿病患者を対象とする今回は前回に比べ、一般的に体重減少幅が小さくなる傾向があるとされる中、最大用量を投与した患者の体重が平均で約23ポンド(10.43キロ)減った。1日1回服用する錠剤を最大用量投与した患者の75%で、血糖値の指標A1C水準は6.5%以下に低下し、米国糖尿病学会(ADA)の目標値7%未満を下回った。
バークレイズのアナリストは顧客向けリポートで、最大用量での減量効果は肥満を伴う糖尿病患者において競合ノボノルディスクNOVOb.COの肥満症治療薬「ウゴービ」と比べて競争力があり「投資家が経口薬の可能性に再び注目するきっかけとなる可能性がある」と記した。