Arsheeya Bajwa
[26日 ロイター] - 半導体大手エヌビディアNVDA.Oが27日に発表する第2・四半期(5─7月)決算は、トランプ政権との異例の取引や、中国の輸入抑制を受け、中国事業が焦点となる見通しだ。
米中の貿易戦争に巻き込まれたエヌビディアの中国事業の運命は、両国が関税交渉と半導体の貿易制限でどのような決断を下すかに左右される。
エヌビディアは最近、輸出ライセンスと引き換えに、中国での売上高の15%を米政府に支払うことで合意した。nL6N3U3083
一方、中国は国内でのエヌビディア製半導体に対する旺盛な需要にもかかわらず、セキュリティー上の懸念を理由に国内企業に購入を制限するよう求めている。
エヌビディアが一部のサプライヤーに対し、中国向け人工知能(AI)半導体「H20」の生産を一時停止するよう要請したとの報道もある。しかし、ロイターはエヌビディアが中国向けに、より高性能なチップを開発していると報じた。nL6N3UB0EP
エヌビディアの株主であるラファー・テングラー・インベストメンツのシニアアナリスト、ジェイミー・マイヤーズ氏は「まず、米中両政府に関して明確さが求められる。中国が半導体を欲しがっているのか、そして米政権がそれを許可するのかだ。もしそうなら、どのように実現するのか」と指摘した。
中国はエヌビディアの昨年の売上高の13%を占めた。今年の第2・四半期については、米国の承認が同四半期終盤だったことから、多くのアナリストは中国でのH20販売による売り上げを織り込んでいない。中国の輸入抑制も、通期の予測を複雑にしている。
エヌビディアは5月、米政府の対中輸出規制により第2・四半期の売上高が80億ドル目減りするとの見通しを示した。nL6N3S00W2
LSEGのデータによると、第2・四半期の売上高は前年比53.2%%増の460億2000万ドルとなる見込み。数四半期にわたって記録してきた3桁の成長とは程遠い。
しかしアナリストは、メタ・プラットフォームズMETA.OやマイクロソフトMSFT.Oといった設備投資計画を拡大したハイテク大手からの強い需要を背景に、AI半導体事業は全般的に活況を呈していると指摘する。
アナリストはエヌビディアの第3・四半期については、売上高が前年同期比51%増の529億6000万ドルになると予想している。
パイパー・サンドラーのアナリストは、そのうちの約60億ドルを中国が占める可能性があると予想した。
一方、バーンスタインのアナリストは、連邦政府の取引により、中国向け半導体の粗利益率が5─15%ポイント押し下げられる可能性があり、全体の粗利益率は約1ポイント低下すると予想した。
エヌビディアの調整後粗利益率は第2・四半期が約4%ポイント低下の72.1%、第3・四半期が約2ポイント低下の73.2%になる見通し。