David Shepardson Harshita Mary Varghese
[ワシントン 26日 ロイター] - 衛星放送ディッシュ・ネットワークを抱える米衛星通信会社のエコスターSATS.Oは、保有する無線周波数帯のライセンスを米通信大手AT&TT.Nに230億ドルで売却することで合意した。
米連邦通信委員会(FCC)のカー委員長は、エコスターに対して無線周波数帯ライセンスの売却を要求。トランプ大統領はエコスターのアーゲン会長に面会した際、カー氏を同席させた上で、エコスターが合意するように促していた。
インターネット利用が急増し、無線通信市場が飽和状態になっている中で、AT&Tはこのライセンス取得によって光ファイバーと第5世代(5G)サービスを拡充する。
エコスターの株価は26日に前日より約70%上昇。一方、AT&Tは0.6%下落した。
FCCは5月、エコスターの5Gサービスの提供について疑義を呈し、保有する無線周波数帯の利用条件を満たしているのかどうかを調査中だと通告。カー氏はアーゲン氏に対し、保有する無線周波数帯のライセンスの一部を売却しなければ、エコスターが権利を失う可能性があると警告した。これを受け、アーゲン氏は6月にトランプ氏と面会していた。
今回の動きについてFCCのアナ・ゴメス委員(民主党)は26日、カー体制のFCCについて「中立の規制機関としての役割を果たすどころか、民間企業に対する圧力を再びかけ、消費者に不利益をもたらす形で無線市場をゆがめるリスクのある方法で、機関の権限を恣意的に行使している」と批判した。