Emma Rumney
[ロンドン 7月28日 ロイター] -
オランダの ビールメーカー、ハイネケン
世界第2位のビール会社は、 EUと米国 間の貿易協定締結を歓迎 し、長期的に拡大する関税の課題に対処するため、製造の転換を含め、あらゆる選択肢を検討していると月曜日に述べた。
上半期の利益は7.4%増とアナリスト予想を上回ったものの 、同社株は8.45%安で取引を終えた 。しかし、ビールの販売量は1.2%減少した。
アナリストや投資家は、ハイネケンがドナルド・トランプ米大統領の通商攻撃によって 南北アメリカの市場が混乱するため、今年いっぱいは販売量が予想より落ち込むだろうと警告したことを指摘した (link)。一方、小売業者との価格論争により、ヨーロッパでの売上が落ち込んだ。
同社はヨーロッパとメキシコから米国にビール、特にその名を冠したラガーを輸出しており、ブラジルなどの主要市場における消費者信頼感への間接的な影響にも苦しんでいる。
ドルフ・ファン・デン・ブリンク最高経営責任者(CEO)は、日曜日((link))に締結された貿易協定によってもたらされた確実性を歓迎した。この協定によって、EU製品に対する米国の脅威的な30%の関税は15%に引き下げられたが、それでもハイネケンの米国での利益には打撃となる。
蒸留酒メーカーなど、業界内には免除を望む声もあるが、ビールについてはその見込みはなさそうだ。
ハイネケンは、関税を長期的に軽減するために、製造の転換を含むあらゆる選択肢を検討していると語ったが、そのような動きは資本集約的であり、まず政策の一貫性を高める必要があると付け加えた。
「現在の体制を継続するか、よりハイブリッドなものにするか、そうでなければどうするか......あらゆる選択肢を検討している。「もし、財政的に中長期的により魅力的であると判断した場合、必ず検討するつもりだ。
長引く関税懸念と経済の不確実性
ハイネケンは、メキシコ政府が8月1日の期限までにワシントンと合意に達しない限り、メキシコで生産する製品に対して最大30%の米国関税を課されることになる。
ハイネケン社幹部は記者団に対し、第1四半期以降、米国、ブラジル、メキシコでも経済の不確実性が消費と信頼に打撃を与えていると述べた。
メキシコでは、米国からの送金が大幅に減少し、ビール業界の売上に影響を及ぼしている。また、米国のヒスパニック系消費者の支出も減少している、とファン・デン・ブリンク氏は述べた。
ハイネケンは引き続き4%から8%の年間利益成長を見込んでいる。
同社はまた、ベトナムやインドなどの市場での成長により、第2四半期の売上高と販売量の予測を上回り、年間コスト削減目標を4分の1増の5億ユーロ(5億8600万ドル) とした。
「ハイネケンの投資家であるAylett Fund Managersのグローバル・アナリスト、Ryann Dean氏は、「彼らは販売量のガイダンスを 若干下方修正した。「ハイネケンの投資家であるアイレット・ファンド・マネジャーズのグローバル・アナリスト、リャン・ディーンは言う。
インドや中国などの市場におけるハイネケンの力強い成長と安定した収益性は、これを補って余りあるものだ、と彼は続け、新興市場がハイネケンの長期的な販売量増加の原動力になるだろう、と付け加えた。
証券会社のジェフリーズも、株価の急落に驚きを隠せない様子だ。
「この株価は、販売量の安心感とコスト計画の達成に裏打ちされた利益達成を考えると、魅力的な買い場であると我々は考えている。
(ドル=0.8535ユーロ)