Tatiana Bautzer Manya Saini
[ニューヨーク 7月15日 ロイター] - シティグループC.Nの第2四半期の利益は、トレーダーが乱高下する市場から利益を得たことにより増加した。
火曜日に発表されたところによると、米国第3位の金融機関の6月30日に終了した3ヶ月間の純利益は40億ドル、1株当たり1.96ドルであった。純利益は前年同期比で25%増加した。
ドナルド・トランプ米大統領が主要貿易相手国に対する徹底的な関税撤廃を発表して市場を驚かせた4月以来、株価と債券は乱高下している。ボラティリティはウォール街のトレーディング・デスクの助けになる傾向がある。
シティの当四半期の収益は前年同期比8%増の217億ドルで、サービス事業、富裕層向け事業、米国パーソナル・バンキング事業が第2四半期として過去最高を記録した。
マーケット部門の収益は16%増の59億ドルに急増した。
投資銀行事業は、景気の先行き不透明感や不安定な市場動向から企業が取引に二の足を踏んだため、当四半期の大半は低調に推移した。
しかし、6月には大型IPOや数十億ドル規模のバイアウトが相次ぎ、下期への楽観的な見通しが強まっている。
シティの第2四半期の投資銀行業務手数料は13%上昇し、銀行業務全体の収益は19%近く増加して19億ドルとなった。
シティは共同で、安定したコインを発行するサークルCRCL.Nの10.5億ドルのIPO (link) と、リテール取引プラットフォームeToroETOR.Oの6.5億ドルの上場 (link) を主導した。同行はまた、チャーター・コミュニケーションズCHTR.Oが5月に非公開のコックス・コミュニケーションズを買収する219億ドルの取引((link))についても助言している。
火曜日に先立ち、ライバルのJPMorgan (link) Chase JPM.NとWells Fargo (link) WFC.Nはともに第2四半期の利益でウォール街の予想を上回った。
金融業界幹部は、景気の先行き不透明感が和らぐ中、IPOやディールのパイプラインが堅調であることを、下半期に活動が回復する指標として挙げている。
シティのウォール街事業部門は、ジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)が収益向上のために抜本的な見直しを行った後、ここ数四半期で利益を伸ばしている。銀行部門も1年前にJPモルガンから採用されたヴィスワス・ラガヴァンの下で強化されている。
それでもなお、シティはリスク管理、統制、データガバナンスにおける長年の欠陥を修正するよう規制当局から命じられており、その対応に追われている。
その一環として、シティは今年上半期に211件のアプリケーションを削除したと発表した。また、「大規模で異常な支払い」を検出するため、85カ国で管理体制を強化した。
シティは2020年、レブロンの金融業者に9億ドルを誤って送金したことで、同意命令と呼ばれる規制当局の処分を受けた。
コンプライアンス問題はシティの株価の重荷となっており、ウォール街の同業他社に比べ大幅なディスカウントが続いている。
シティは過去1年間、株価純資産倍率を上昇させることで、その差を縮めてきた。LSEGがまとめたデータによると、シティはアナリストから17件の買い推奨と5件の保有推奨を受けている。
月曜日までのS&P500種株価指数.SPXの上昇率6.6%に対し、シティ株は今年1年間で24.3%上昇している。