今週の予定:10月CPI・PPI発表へ、コアウィーブ、シスコ、アプライド・マテリアルズが決算発表
今週の米金融市場では、10月の消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)の発表がインフレ動向とFRBの政策方針を占う最大の焦点となる。インフレ指標の上振れは長期金利上昇やハイテク株への下押し圧力となり得る。企業決算では、コアウィーブ、シスコ、アプライド・マテリアルズなどが予定されており、AIコンピューティング需要やクラウド・半導体インフラの拡張、資金調達状況が注目される。また、ロケット・ラボや日本のメガバンクの決算、主要経済指標の動向も市場環境を左右する重要な要因となる。

TradingKey - 米東部時間11月9日〜13日の週は、米国の10月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が相次いで発表される予定で、インフレ指標が再び米国株式市場の大きな焦点となる。
米連邦準備理事会(FRB)は10月の会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを3.75%〜4.00%に据え置いたものの、2名のメンバーが25ベーシスポイントの利上げを支持して反対票を投じた。今回発表されるインフレ指標は、12月会合およびそれ以降の政策方針を巡る市場予想に影響を与える見通しだ。
決算面では、コアウィーブ(CRWV)、シスコ(CSCO)、ロケット・ラボ(RKLB)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)などが決算を発表する予定で、市場はAIコンピューティング需要、クラウドインフラ構築、AIネットワーキング事業、商業宇宙開発の進展に注目している。
主要イベントプレビュー
米10月CPI・PPI:インフレ圧力が再び試練に直面
米労働統計局は11月10日(火)午前8時30分に10月のCPIと実質賃金データを発表し、続いて11月13日(金)午前8時30分に10月のPPIを発表する予定だ。
CPIは住居費、食品、エネルギー、財、サービスの価格変動を反映し、コアCPIは変動の大きい食品とエネルギーの価格を除外している。
コアCPIが高止まりするか市場予想を上回った場合、米長期金利と米ドルが上昇し、高バリュエーションのハイテク株に下押し圧力がかかる可能性がある。一方で、住居費やサービス価格の上昇が鈍化すれば、市場は12月およびそれ以降の連邦準備制度理事会(FRB)の会合に向けた金利の軌道を再評価する可能性がある。
PPIは国内の生産者が財やサービスに対して受け取る販売価格の平均的な経時的変化を測定し、生産側の価格圧力やコストの変動を把握する手がかりとなる。ただし、PPIの上昇が、関連コストが直接的または比例してCPIへ転嫁されることを必ずしも意味するわけではない。
コアウィーブ決算:成長ペースと資金調達圧力に注目
コアウィーブは11月10日(火)に2026年第3四半期決算を発表し、米東部時間午後5時に決算説明会を開催する。
市場では売上高の成長、長期契約の履行状況、データセンターの展開スケジュール、設備投資が注目される。同社がGPUの調達とデータセンターの建設を継続するなか、営業キャッシュフローや支払利息、今後の資金調達計画についても注視が必要となる。
大手AI顧客による計算能力の調達がコアウィーブの売上成長を牽引しているものの、データセンターの引き渡しスケジュールが契約済み受注残の売上転換ペースを左右する。また、資金調達コストはキャッシュフローや収益性に影響を与える。さらに、特定顧客への依存やプロジェクト遅延のリスクも見過ごせない。
シスコとアプライド・マテリアルズの決算:AIネットワークと半導体装置の需要が試される
シスコシステムズは11月12日(木)に2027年度第1四半期決算を発表し、午後4時30分に電話会見を開催する。市場は製品受注やAIネットワーキング事業、セキュリティおよびオブザーバビリティ部門の業績に注目するとともに、スプランクの統合の進捗状況を見極める見通しだ。
アプライド・マテリアルズは同日の取引終了後に2026年度第4四半期および通期の決算を発表し、午後4時30分から電話会見を開催する。投資家にとっては、ウエハー製造装置の需要や先端パッケージング事業、ロジック半導体およびメモリ半導体メーカーにおける設備投資動向の変化が注目点となる。
それぞれネットワーク機器と半導体製造装置を手掛けるシスコシステムズとアプライド・マテリアルズは、AIインフラの構築や半導体製造に対する投資需要を反映している。しかし、両社とも従来の企業向けIT支出の動向や、スマートフォン、PC、非AI半導体市場の変化にも影響を受ける。
今週の主要スケジュール
11月9日(月)
主な予定:ロケット・ラボ決算、テイクツー決算、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ決算
米センサス局は午前10時、9月の卸売売上高および卸売在庫データを発表する。卸売売上高、在庫、在庫売上高比率(在庫率)の変動は、卸売段階での需要や企業の在庫調整の動向を反映する。
決算関連では、ロケット・ラボ(RKLB)が市場終了後に2026年第3四半期決算を発表し、午後5時から電話会見を開催する。投資家は、エレクトロン打ち上げ事業、宇宙システム事業の売上高、政府契約のほか、ニュートロン・ロケットのエンジン試験、インフラ整備、初打ち上げの予定時期などに注目するとみられる。
トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)やテイクツー・インタラクティブ(TTWO)も市場終了後に決算を発表する。市場では、トランプ・メディアの業績やTAEテクノロジーズとの合併の進捗状況に加え、テイクツーの『GTA VI』の発売スケジュールや通期の純予約額(ネットブッキング)のガイダンスに注目が集まる。
11月10日(火)
主な予定:米10月消費者物価指数(CPI)、コアウィーブ決算
米国では午前8時30分に10月のCPIおよび実質賃金データが発表される。総合CPIやコアCPIに加え、住居費やサービス価格の構成項目が、インフレ動向や米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の方向性に対する市場の予想を左右することになる。
コアウィーブは市場終了後に第3四半期決算を発表する。売上高、データセンターの稼働引き渡し状況、設備投資、キャッシュフロー、資金調達の取り決めが主な注目指標となる。
11月11日(水)
主な予定:米退役軍人の日、フランコ・ネバダ決算
米国は退役軍人の日(ベテランズ・デー)の祝日を迎え、連邦政府機関が休業となるほか、商業銀行も通常は休業する。米株式市場は通常通り取引が行われるが、米債券市場は米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告に従い休場となる。
決算関連では、フランコ・ネバダ(FNV)が米市場終了後に第3四半期決算を発表する予定となっている。投資家にとっては、金価格の動向や貴金属の販売売上高、通期の業績見通しが注目点となる。
11月12日(木)
主な予定:ネビウス決算、シスコ決算、アプライド・マテリアルズ決算、セレブラス・システムズ決算
ネビウス(NBIS)は取引開始前に2026年第3四半期決算を発表し、米東部時間午前8時から電話会見を開催する。投資家は、AIクラウド事業の売上高、GPU計算能力の展開、データセンターの拡張、設備投資額などに注目するとみられる。
シスコ(CSCO)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、セレブラス・システムズ(CBRS)は市場終了後に決算を発表する。市場ではそれぞれ、シスコの製品受注動向やAIネットワーキング事業、アプライド・マテリアルズの半導体製造装置需要や先行きガイダンス、セレブラスのAI半導体事業の成長や顧客需要に注目が集まる。
11月13日(金)
主な予定:米10月生産者物価指数(PPI)、三井住友フィナンシャルグループ決算、三菱UFJフィナンシャル・グループ決算
米労働統計局(BLS)は午前8時30分に10月のPPI(生産者物価指数)データを発表する。生産側の価格圧力を推し量るため、市場では総合PPI、食品とエネルギーを除くコアPPI、貿易サービスを除く最終需要価格指数に注目が集まる。
PPIが予想を大幅に上回った場合、市場は財やサービス全般にわたる価格圧力を再評価する可能性がある。ただし、生産者物価の上昇が企業の利益率に与える影響は、投入コストや価格決定力、最終需要にも左右される。
決算関連では、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が取引開始前に2027年度上期決算を発表する見通しだ。投資家は、日本の金利環境の変化が銀行の業績に与える影響を見極めるため、純金利収入(資金利益)、貸出金の伸び、純利ざや(NIM)、通期の業績予想などに注目するとみられる。
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